おばあさんの中の少女

7月31日の記事「おばあさんになるなんて」神沢利子 感想の続きです。

樺太(サハリン)の大自然に抱かれて過ごした少女時代が
彼女の作品の原点です。
病気や貧困と闘いつつも
常に「内なる子ども」との接触を保ちながら
童話や想像の世界に救いや生き甲斐を求めた人、
現実に2人の娘を育て生きて行く為にも
創作活動に打ち込んだ素晴らしい女性だと思います。

佐藤春夫、堀田善衛、中桐雅夫、田村隆一、まどみちお、
岩崎京子、今江祥智、松居直といったそうそうたる人たちとの交流や
彼等のサポートが、この作家を育てたことも知りました。

・・・「書く」ということがわたしの感情のあらゆるはけ口に
なってきたんだと思っています。わたしの場合「書く」まで
「書く」作業に入るまで、何が出てくるかはわからない。
だから「書く」ということで、自分を確かめることに
なってきた。

・・・もう、好き勝手に動物やらおなべやら わたしの中から外に
外から中に行き交ってるの。

樺太時代から奥座敷に手足を広げていた金色の熊の敷物は
東京、信州と家族と行を共にし、最後は母と子の貧しいくらし
の中で正月の餅や囲炉裏の薪を買う為に手放したといいます。

その事を知って読むと 単純に元気でたくましいおとうさんグマ
だと思っていた「となりのモリタ」の父熊も
神沢さんの長い人生で感じて来た「父性」の象徴、
実際の父や夫や知人のみならず、本当はこうあって
ほしかった父親像のようにも見えてきます。
奥が深いです。



となりのモリタ
クレヨンハウス
神沢 利子

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